FX業者は国内と海外の業者、2つから選べますが「海外FXは税金が高いから国内にした方が無難」なんて情報を耳にしたことはありませんか?
実際のところ、国内か海外か2種類の業者を比べた場合、どちらの方が税金が多く取られてしまうのでしょうか?
そこで今回は、国内FXと海外FXで儲けた場合の税金事情について解説していきたいと思います。
FXの税金が気になる方は、必読です!
FXで利益が出た場合は納税しなければならない
まず、FXの税金の大前提として利益が出た場合は、必ず納税しなければなりません。
国内・海外業者どちらを利用して取引したとしても納税の対象となります。
FXでどのくらいの利益が出たら納税するのか
納税の対象となる金額は、FX以外に収入がない場合は38万円以上、FXは副業でFX以外に収入を得ている会社員などの場合はFXで20万円以上の利益が出れば、課税対象となります。
国内でも海外でも脱税は必ずバレる
FXで納税対象となる一定以上の金額を稼げば、課税対象となると前述しましたが「利益を申告しなければバレないんじゃないの?」と思う人もいると思います。
しかし、FX業者は一年分の顧客の利益データを税務署に提出する義務があるので、仮にあなたが申告しなくても税務署に利益が全てバレているのです。
もしも、税務署から連絡が入り無視し続けていると、高額な延滞税を請求される可能性があります。
さらに延滞税も払わないで逃げ続けていると最悪、逮捕もあり得るのです。
そうならないためにもFXで一定額の利益をあげた場合は、誤魔化さずに納税しましょう。
国内と海外FX業者の税金の違い
国内と海外FX業者では、税金の仕組みがそれぞれ異なります。
以下では、国内と海外の税金の違いについて解説しています。
国内は税率一律20%
まず国内のFX業者の場合税率は、一律20%と実にシンプルな課税システムです。
この20%の中には所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%が含まれています。
海外は総合課税方式
一方、海外FX業者の場合は総合課税方式という課税方法で、所得税に応じて税率が変動するシステムです。
例えば、所得が195万円以下では5%、195万円超~330万円以下では10%、330万円超~695万円以下で20%というふうに所得が増えれば増えるほど税率も比例して上がる仕組みです。
また、所得税に住民税10%、復興特別所得税2.1%を加えて支払う義務があります。
なぜ国内と海外で税率は異なるのか
実は2011年までは、海外FX業者も国内業者と同じように税率が一律20%でした。
しかし、2011年以降は「海外業者は高レバレッジでギャンブル性が強いため外そう」と金融庁が発表し現在のような総合課税方式となりました。
諸説ありますが個人的には「ギャンブル性の強い海外FXでたまたま大きく儲かったトレーダーからは税金搾り取ったれ」や「国内FX会社の利用者増えるように海外FX会社に不利な仕組みにしよう」と解釈しています。
裏を返せば海外FXのほうが仕組みとして優れていることを露呈しているのではないでしょうか。
海外FXを使うと税金は高くなる?
海外のFX業者を使うと果たして税金は、国内業者よりも高くなってしまうのでしょうか?
それぞれの利益をシミュレーションしながら検証していきましょう。
国内FXで100万儲けた場合
国内FXの場合100万円儲けた時の納税額は、以下のようになります。
- 100×20%=20万円
このようにFX国内業者で100万円の利益が出たとすると、20万円の納税額が発生します。
海外FXで100万儲けた場合
海外FXの場合は総合所得額に応じて課税されるので給与所得が400万円、FXの儲けを仮に100万円として計算してみましょう。
- 給与所得400万円+海外FXの利益100万円=合計所得500万円
- 500万円-所得控除32万7,500円=課税所得467万2500円
- 467万2500円×20%=所得税93万4,500円
- 所得税93万4,500円×20%(FX分の税率)=18万6900円
このように若干ですが、海外業者の方が実は税金が安くなる場合もあるのです。
さらに会社員ではなく、専業トレーダーの場合は収入がFXしかないのでさらに税金は安くなります。
実は海外FXの方が一定額を超えない限り税金は安い
海外の課税率は総所得額によって変動すると前述しましたが、表にするとこのような課税率になります。
課税される所得
(合算後の総所得) |
所得税率 | 所得控除
(課税される所得から差し引く) |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え330万円以下 | 10% | 9万7,500円 |
330万円を超え695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円を超え900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円を超え1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円を超える | 45% | 479万6,000円 |
このように給与と合計して所得が少なければ少ないほど税率は低くなるのです。
さらに、表をみてもらうと分かるように国内FX業者より税率が高くなるには、総所得が695万円を超えなければなりません。
海外FX業者を使って多く税金を取られる人は会社員の給与がよっぽど高いか、FXでかなりの利益を出さない限り、国内の税率20%をまず超えることはないのです。
したがって、海外FX業者の税金が国内に比べて圧倒的に高いという話は、一部の高所得者以外には関係のない話なのです。
まとめ
ここまで、国内と海外FX業者の税金事情について解説してきました。
海外FXの方が税金が高いというのは、一部の高所得者だけが対象となる話であり、税率だけでみるとほとんど変わらないかむしろ若干海外の方が税金は安くなります。
FX初心者で「海外FXは税金が高いから手を出したくない!」という方も実は、そんなに変わらないということを覚えておいてください。
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